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隣地を購入し街道沿い約1,000坪の土地活用が可能に

相談の経緯

 Hさんは幹線道路沿いに所有する約1,000坪の土地を、大手運送会社の駐車場として貸していました。年間賃料は3,000万円ですが、契約更新を半年後に控え、さらに収入を増やす方法はないかと考えました。

 私たちはHさんが所有する土地と別の幹線道路の間に、別のオーナーが所有する30坪の未利用地があることに注目しました。そこで、「Hさんの土地は一つの道路にしか面していないので、高い賃料が取れない。隣地を買い取って、二方面から車が出入りできるようになれば、立地条件は格段に高まり、高い賃料を交渉できる」と考えました。

隣地を言い値で購入したときの採算を厳しく算出

 隣地所有者 (Iさん) との交渉がはじまりました。隣地は更地のままになっていましたが、Iさんは「いまは土地を売るつもりはない」との返事でした。しかし、話を聞くうちに、Iさんは数年前に投資物件として購入したものの、これまで何の収入もないまま地価が下がってしまい、現在の地価では売る気がないことがわかりました。

 ここで検討することは、Iさんが希望する売却金額で土地を買い取ったときの採算性です。

 Iさんは、「地価は値下がりしているが、購入金額と同じなら売ってもいい」と条件を出してきました。それは相場の1.5倍、総額5,000万円です。これにHさんが所有する土地の評価額9億1,000万円に対する収入として、どれだけの賃料アップが見込めるのかがポイントになります。

土地を購入するという選択肢もありうる

 隣地の買収資金 (5,000万円 ) を全額借り入れたときの年間返済額は396万円 (期間20年、金利5%) です。隣地を買い取ることで可能になる年間賃料のアップ分が返済負担を上回れば、「隣地を買ってお釣りがくる」という計算が成り立ちます。つまり、現在の賃料3,000万円が3,500万円になれば、この計画はGOサインと考えました。

 Iさんとの買い取り交渉の一方で、この賃料条件を提示して新しいテナント探しもスタートさせました。すると、この条件で土地と建物を借りてもいいという会社が5社ありました。

 さらに詳細の交渉を進め、年間賃料は建設協力金の返済を差し引いた手取額で7,000万円、建物の建設費は建設協力金方式で、建設協力金は契約期間中は無利息、中途解約の場合は建設協力金の返済は不要という条件を出してきた大型量販店を最終候補としました。

 この結果、Iさんが提示した金額で買い取っても、土地価格に対する利回りは現在の3.3% から7.3%になり、十分採算がとれるという総合判断から、隣地を買い取ることにしました。

 このように、自分が所有する土地だけでは満足できる収入が得られないときは、隣地を買い取ることで、土地全体の立地条件、利便性が大きく変わり、大幅な収入増を実現することができるケースがあります。こうしたケースでは土地を積極的に購入しても、地価下落のリスクより、収入大幅増のメリットのほうが大きいのです。