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3.現況満室の高賃料収入で購入を決めたが・・・

触れ込みに注意!

『オーナーチェンジ・現況は満室』といった触れ込みで高い利回りをうたっている収益物件には、大きな魅力があります。しかし、そのまま気軽に鵜呑みにするわけにはいきません。

 自己所有のマンションを売却したい売主が、空室に自分の身内を一時的に入居させて、満室を装っていることも現実にあったのです。
このような場合、往々にして、実勢賃料よりも高い賃料で入居しているテナントも散見します。また、売却交渉の時点では満室だったのに、購入後は入居者が続々と退去してしまった例も、実際にあるのです。
売主と賃借人が結託して、賃料を通常の相場より割高にして、表面利回りを高く見せることも十分に可能なのです。

見極めが大切

 このような、売主側に悪意あるケースは、少し極端かもしれません。しかし、購入後に収益が急速に悪化することは、売主に悪意がなくてもありうることです。
 特に築年数が浅い物件の場合は、その地域の実勢賃料よりも、高めに家賃設定がなされていることが多いので注意が必要です。

事例

 Cさんのケースを紹介します。Cさんは、世田谷区内に築5年のオフィスビルを4億3,000万円で購入しました。
諸経費を差し引いた手取りの利回りは7%です。これは一見、優良物件のように見えます。
ところが、その後の2年間で、テナントが相次いで撤退してしまったのです。
不動産会社が懸命にテナントを探してくれたので、空室は何とか埋まりましたが、オフィス賃料を値下げせざるを得ませんでした。

 現在、この物件から得られる手取りの利回りは、4%弱に落ちています。
まだ利回りが確保できているうちはいいですが、いずれ赤字に転落するかもしれないとCさんは不安を感じています。

 この物件は、たしかに駅近で築年数も浅いきれいな建物でしたが、都心を中心にオフィスビルが続々と建設されている昨今、テナントの出店の条件設定が厳しくなり、実勢賃料が下落しているトレンドを見落としているのです。