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4.新築ワンルームマンション投資はやめた方がいい

相談の経緯

北関東に住む会社員Gさんは、4年前墨田区の駅から徒歩8分にある新築の投資用ワンルームマンション(20.81㎡)を諸費用込1,840万円で購入しました。
売主のディベロッパーS社の営業担当から「東京23区内で、この低金利の時代に5.76%の利回り・年間賃料収入106万円は、年金代わりとして魅力があり、税金対策にも有効ですよ」と勧められ購入したのです。

購入資金については、S社から紹介された金融機関から1,400万円(30年返済・変動金利2.4%)の借入をしました。
購入後すぐに入居者が決まったため安心していたのですが、4年経った今年になって入居者が退出し、空室になってしまったのです。
早速Gさんは、次の賃借人を決めるため、S社の子会社の不動産管理会社に募集を依頼しました。
9万円かけて、壁クロスの張替え等のリフォームも実施しました。
しかし4ヶ月過ぎても空室は埋まらず、Gさんは途方に暮れてしまいました。借入はまだ大半残っているので、月々の返済5.4万円は毎月の給料から穴埋めしなくてはならない状況でした。

検討・対策

その時になってはじめて、Gさんは当社に相談に来られたのです。
当社で分析した結果、営業マンの言っていた利回りとは随分違っていました。営業マンの言っていた利回りは、表面利回りの事であり、実際には、賃料収入から管理費・修繕積立金・固都税さらには借入金を返済すると、実質の手取りの利回りは1.22%だったのです。

さらに調査を続けていくと、Gさんの賃貸マンションのある地域は人口こそ微増傾向にあったのですが、賃貸世代である若年層(18歳~30歳)の人口が急激に減少している地域だったのです。
しかも、廃業した工場跡地や駐車場に次々と賃貸・分譲マンションが建てられ、空室率が大幅に上昇している地域だったので、たとえ今回の空室が解消されたとしても、将来に不安が残ると言わざるを得ない状況でした。

売却も検討しましたが、売却査定額は950万円と、残債務1,270万円を解消するには程遠い状況でした。
新築で購入した場合、入居した途端に2割程度価格が下がるとよく言われます(新築プレミアム)。
まして、空室率が上昇しているこの地域では、中古の投資用マンションの値下がりが激しかったのです。

結局、募集賃料を1万円下げ、月8万円(実質の手取りの利回りは0.7%となる)にして募集したところ、ようやく空室が解消できました。

結果

建物全体を一棟買いするのと比べて、投資用ワンルームマンションの購入は、たしかに小額でできる手軽な不動産投資と言えます。
しかし、ワンルームを所有する場合は、区分所有者同士で大規模修繕をどう負担するかなど、管理面の問題が複雑になります。

また、入居者が1人いれば満室ですが、退出すればただちに空室率100%になるという、リスクの高い面があります。一見、手軽に見えるワンルームマンションへの投資ですが、実際には特に慎重に行うべきなのです。
購入する際には、その地域での供給状況・人口動向(特に若年層)・空室率推移等の市場調査や管理会社の質・募集能力等を調査し、現地に何度も足を運ぶことが重要です。