• 標準
  • ENGLISH

6.大規模修繕の費用を考えていなかった・・・

経緯

 Eさんは、融資の受けやすい新耐震基準(1981年6月以降の建築確認に適用)以後の物件を探していたところ、駅前にある築14年の事務所ビルを3億3,000万円で2年前に購入しました。
利便性の高い立地を気に入り、手取り利回りは4.7%程度でしたが、駅前であれば、これからも安定収益を得られると思い、満足していました。

ところが、購入して1年ほど経った時点で、空調の効きが極端に悪くなり、テナントからのクレームも出始めました。
不動産管理会社に相談したところ、「このビルの空調は耐用年数過ぎているので、設備を交換しなければならないですよ。」と言われました。

そこで以前から気にはなっていた、外壁からの雨漏りも一緒に修繕しようと思い、この機会を利用して大規模修繕の見積りを依頼しました。
出てきた見積にEさんは驚きました。3,800万円も掛かるというのです。

これは、2年半分の収益を全て修繕工事に費やさざるを得ないという事態に陥ってしまったのです。

メンテナンスの重要性

何もここまで極端な事はそんなに多く起こる事ではありませんが、売主(前のオーナー)が収益物件の売却を検討しはじめるのが、法定耐用年数を間近に控え、経費にできる減価償却が取れなくなる直前であることが多いということは、認識しておく必要があります。

つまり、正しくメンテナンスされていなければ、購入してから早晩不具合が起きる可能性が高いということです。

長期修繕計画はプロに作成してもらう

また、修繕が必要な項目については専門家でないと分からないことも多いため、長期修繕計画をプロに作成してもらうことが大切です。

信頼できる管財会社等に依頼して作成してもらう位の注意が必要です。

また、建物が建築されてから解体されるまでに掛かる総費用をライフサイクルコストといいますが、建設費の3倍程度が建設後にかかる費用であり、維持・修繕に建設費以上の費用がかかるのだという事は、頭の片隅にでも入れておく必要があります。