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リスクを無くしてスケジュール内で納税地を高値で売却

納税地売却

 東京都A市のBさん(父)にご相続が発生しました。相続人はお母様を含め計5人で、課税資産総額は、約25億円、概算相続税額は、4億7,000万円でした。生前より相続が発生した場合は、土地を売却するか物納する予定で、当面の納税地として駐車場400坪(D地)と自宅近くの生産緑地450坪(E地)の2箇所の土地を準備していました。

 駐車場(D地)の相続税評価額は、約3億円、生産緑地(E地)の宅地並み評価額(広大地評価適用地)は約1億4,000万円でしたので、物納では両方でも足りませんが、幸いどちらの土地も駅から近く(6分~10分)売却そのものには問題はありませんでしたので、2箇所とも売却すれば相続税は十分まかなえる状況ではありました。

土地の概要

・駐車場の土地400坪(D地)

 D地は、駅からも近く(歩6分)、用途地域は第一種中高層住居専用地域(容積率200%)でしたので本来ならマンション適地ですが、前面道路が4mであったため、マンション用地としては少しボリューム(容積)が不足していました。戸建て用地としての環境は申し分ありません。ただ1つ土地上の問題として、土地の間に水路(市の土地)があり、土地が2分されていました。(前面路線価:坪80万円/戸建て用地としての概算査定価格:約3億2,000万円(水路により2分されている状況の場合))

・生産緑地の土地450坪(E地)

 E地は、自宅近くの整形地(農地)で、完全な戸建て用地(広大地評価適用地)であり、売却上も全く問題はありませんでしたが、Bさんの生前の意思は、自宅の近くでもありできるだけ残したいと言っていたとの事でした。(前面路線価:坪70万円/戸建て用地としての概算査定価格:約3億3,000万円)

入札による売却準備

 故人の意思も尊重し、まず駐車場D地(400坪)を入札方式により売却する事とし、マンション業者への高値売却を実現させるため、できるだけ多くの優良マンション業者に売却を打診することにしました。事前査定で、マンション業者数社より購入の意思の確認はとれていましたが、念には念を入れ、戸建て業者とマンション業者の両方に打診しました。マンション業者は、容積率の問題で、辞退する会社も多数ありましたが、最終的には合わせて30社近くの会社に打診した結果、マンション業者8社、戸建て業者5社が入札に応じました。

 ここでのポイントは、入札条件の中に、水路の払い下げは、あくまでも買主側でやる事を前提としたことです。そうすることによって、納税スケジュール上も、手続き上も全て売主にとって好都合になります。また土地も一体利用を前提とした価格になりますので、査定価格も上がりました。

入札結果

 結果は、最高値が5億2,000万円(大手マンションデベロッパー)、最下値が3億4,000万円(戸建て業者)と約1.5倍以上の差がつきました。2番手のマンション業者の価格が4億9,000万円、3番手のマンション業者の価格が4億5,000万円、戸建て業者の最高値が4億500万円(ほぼ公示価格水準)という結果でした。マンション用地として、相続税額(4億7,000万円)程度で売却できれば御の字と考えていましたので、1番手の価格(最高値)は予想をはるかに上回る価格で、入札封筒を開封した瞬間、その金額に目を疑ったほどです。

入札方式での売却の場合、このような事がよくあります。土地の仕入れ競争が続く場所であれば、もっとも高く売却する方法である事は間違いありません。

この例では、土地売却代金でほとんどの相続税をまかなうことができましたので、生産緑地(E地)は二次相続のための納税用地として残すことができ、お客様(売主)からも本当に喜ばれました。