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5.老朽化したアパートの建て替えを勧められたが…

状況

Dさんは東京都内の約100坪の土地に築26年の単身者向けのアパートを2棟所有していました。

駅からは徒歩14分と利便性はあまりよくないこともあり、計16戸のうち4戸は空室となっていました。
外壁と屋根の劣化が著しく、リフォームの必要性が出たため、今回4社から見積りを取りました。

結果は一番安いところで900万円、一番高いところで1,400万円でした。
道路も狭く、車が入らないので、施工の条件は悪いだろうと、Dさんは考えていましたが、各社の見積り金額の大きな違いには正直戸惑いました。

ハウスメーカーからは、そんなに費用をかけてリフォームするなら建て替えした方がいいと言われ、新築の事業計画書も出されていました。

対策

そこでDさんは悩み、当社へ相談に来られました。

早速、私たちは調査分析を始めました。

最初に建物診断を行ったところ、やはり外壁・屋根は劣化が著しく、雨漏りが一部見られるなど、建物維持のうえで工事が必要と考えられました。
さらに、長期修繕計画では、室外給湯器などで今後5年以内の取替えが必要と予想されました。

次に新築の事業計画ですが、工事車両が入れず資材搬入等が全て小運搬となり、後期の長期化で工事費や解体費用が割高になっています。

さらに、12件の立退き料や工事期間中の金利負担を考えると事業費が大きくなり、全額借入れの事業計画ではあまりにリスクが高く、検討対象から除外することにしました。

4社のリフォーム見積書を分析すると、工事車両が入れないことにより、各社とも割高となっていました。

内容を精査のうえ、C社の940万円で費用対効果の検証を次の通り行いました。

初年度426万円の収入が、半分以下の205万円になる可能性が十分ありえる結果となりました。

建物は老朽化でリフォームが必要。しかし、リフォームしても必要な収入確保は出来ない。
もう一度、Dさんの状況を整理しますと―

  1. アパート収入は重要な生活費となっている
  2. リフォームは建物維持の為、不可欠
  3. リフォーム費用は銀行融資(自己資金力がない)
  4. リフォームによる費用対効果において稼働率アップは見込めないこと
  5. リフォーム費用の回収が難しいこと
  6. 新築の採算は合わないこと

選択肢が無い?

そこで私たちは別の提案をしました。

当社の提案

提案は次の通りです。

・売却価格1億2,600万円で経費や税金を差引き、1億1,000万円で近所に敷地40坪で鉄骨3階建の収益物件を購入
・実質利回り5%で550万円の収益を確保

この提案ができたのは、実は2つのポイントがありました。

・隣地所有者への交渉 ・・・ 隣地所有者が自営業で、広い通りに面しているが敷地が狭く、Dさんの土地を購入すると、土地の利用価値が高まること。
・税制の特例措置 ・・・ Dさんのケースが事業用資産の買換え特例となり、1/5の税金で済むこと

リフォームの本当の目的は?

きっかけは、リフォームでしたが、私たちの調査分析によって無事Dさんは安全確実な収益を確保し、健全な資産を後継者に残すという目的を達成することができました。

私たちが、この事例を通してお伝えしたかったのは次の2点です。

  1. 建物維持のために、リフォームせざるを得ない場合には、「やむをえず」や「とりあえず」といったその場しのぎになっていることが多いこと。
  2. 資産を守るためには、将来を見据えたうえで柔軟な発想で、慎重かつ総合的な判断がとても重要だということ。
  3. リフォーム費用は銀行融資(自己資金力がない)
  4. リフォームによる費用対効果において稼働率アップは見込めないこと
  5. リフォーム費用の回収が難しいこと
  6. 後継者はお嬢様お1人ですでに嫁がれていること
  7. 新築の採算は合わないこと