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立地を活かし独身寮を有料老人ホームへコンバージョン

状況

Gさんは10年前、300坪の土地に、一部上場企業からの要請で2階建て・延べ床面積300坪(27室)の独身寮をつくり、サブリース会社に年間賃料1,700万円で貸しました。
建設費は金融機関から融資を受けましたが、すでに完済しています。

ところが、更新時期を前に、「独身寮を廃止することを決定した。したがって、契約満了日に退去する」と通告を受けました。
Gさんは地元の不動産業者に再テナント依頼をして1年にもなるのに次のテナントが決まりません。しかも月額100万円に賃料を下げても決まっていなかったのです。この段階でGさんは相談にみえました。

活用法として環境的に有料老人ホームが最適と判断

私たちは、独身寮の活用法をいくつか検討しました。

このケースは「独身寮の撤退」事例と同様に、再び独身寮として借りる会社はなく、賃貸マンションへのコンバージョン、建物を解体して新たな活用法を見つける、といういずれの方法も難しいと判断しました。

しかし、前述までのケースと異なるのは、Gさんは10年契約だったので借入金の返済期間も10年に設定していたため、すでに借入金の返済が完了していることです。ここがポイントです。まだ、借入金が残っているのであれば、やはり、借入金の返済額分の賃貸収入があればいい、という選択肢しか残されていなかったでしょう。

私たちは、駅からの距離があることを考慮して、有料老人ホームへのコンバージョンを提案しました。

閑静な環境ですが車での便はよく、周囲に高齢者の人口が多いことから、この地域への進出を希望する介護事業者が多数あることはわかっていました。27部屋という規模がネックになって、運営事業者探しは苦労しましたが、月額210万円、敷金1,000万円で話がまとまりました。

独身寮を老人ホームに改装するための費用は、比較的少なくてすみます。

古い寮は風呂・トイレが共同の場合が一般的です。さらに、厨房、集会所などの施設はすでにありますし、1部屋が20㎡前後という広さも老人ホームに最適でした。車いすを使う入居者がいるので安全性から中廊下のほうが良く、ドアなどを拡幅すれば認可条件を満たすことができます。ただ、2階建てであったため、エレベーターがなく、外付けでエレベーター設備を設置しなければなりませんでした。このため、3,500万円の改装費をかけました、すでに借入金は完済しており、安定した収入が得られるようになったということで、全額を金融機関から借り入れることができました。

コンバージョンできるかどうかは専門家の判断が必要

有料老人ホームのような介護施設は、20年以上の賃貸借契約を結ぶことが求められるから、長期安定した賃料確保でき、しかも空室リスクを心配することもありません。

このケースの場合、3,500万円の改装費に対して年間賃料が約2,500万円ですから、1年半で回収できる計算です。

しかし、すべての独身寮が老人ホームにコンバージョンできるわけではありません。コンバージョンできるかどうか、賃貸を希望する介護事業者があるかどうかの判断は、専門家のアドバイスを得ながら勧めてください。