2017.10.01
財産承継税制・法令
生産緑地の「2022年問題」とは?
生産緑地を解除して賃貸アパートとして活用することは得策なのか?

将来の相続を見据え「失敗しない土地の有効活用」を実現
土地活用に迷われたら、ぜひご相談ください。

1.生産緑地を巡る現状
生産緑地の指定解除ができる「2022年問題」とは?

「生産緑地」とは、暮らしやすい都市環境の保全を目的に1991年の法改正により指定された農地のことを言います。固定資産税が非常に低い価格に抑えられ、相続税の納税猶予も選択できる一方、原則として30年間農地として管理する営農義務が課せられています。
近年注視されている「2022年問題」とは、2022年に約8割の生産緑地が指定から30年経過し、宅地等への転用が可能になることから、賃料・地価が下落するのでは、と危惧されている問題です。土地の放出が見込まれるこのタイミングを狙って、賃貸アパート経営などのセールスも激化しており、不安をあおられ、対応に悩むお客様もいます。
しかし実際は、指定解除ができる機会が来るだけです。また、今年生産緑地法が改正され、10年ごとに解除の判断が可能となりました。利用の制限も緩和されましたので、今後も営農を望む農家の方はご心配は要りません。
更に今後、都市農地の賃借と納税猶予制度の見直しが予想されるため生産緑地を維持しやすくなる可能性が高まっています。

2.生産緑地活用の成功事例
認可保育園による土地活用で相続に備えた仕組みを構築

一方、将来的に賃貸需要の低下が避けられない状況のなかで、2022年を待たずに生産緑地指定を解除し、認定保育園の建設で有効活用を実現した事例をご紹介します。
認可保育園は、都市圏における待機児童の軽減という地域貢献と、土地の有効活用という面から積極的に希望されるお客様が少なくありません。これまでに自身が手掛けた5つの園は良好に運用され、さらにもう1園が来春竣工予定となっております。
通常、生産緑地の解除は、主たる農業従業者の死亡や病気、30年を経過した時点で可能となりますが、社会福祉事業に関する施設に限り、特例が認められております。本事例では、当社にて、認可保育園、グループホーム、障碍者施設を検証し、ご提案。お客様が認可保育園をご希望されたことで着工に至りました。

3.提案から実行までの充実の体制
生産緑地の相続に長けた精鋭スタッフが折衝を担当

更地に賃貸物件等(認可保育園)を建てることで土地の評価額が下がり、建築費や賃料の交渉により、安定した利回りの土地活用を実現。第二法人を設立して収益性が更に高まり、ご満足いただける結果となりました。
生産緑地や納税猶予の特例に関わるこのような案件は、熟練のスキルが求められます。認可保育園建設では、地域における保育園需要や行政の意向との一致が必須であるうえ、農業委員会や都市計画課との綿密なヒヤリングと交渉を重ねていきます。その後も、保育園運営会社や建設会社との折衝、必要に応じて近隣住民への説明会開催の段取り、さらに開園後のフォローも行います。
不動産、建築、税務、相続、生産緑地等の知識・経験を活かしながらご提案から実行に至るまで、総合的なコンサルティングを提供できる会社は他に例がありません。これも当社の長い経験と幅広い知識やネットワークによるものだと思います。土地活用や財産相談をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※詳細については、税理士・税理士法人等の専門家や所轄の税務署等にお問い合わせ下さい。

野口 忠夫
財産コンサルティング事業本部 第一事業部 部長

Profile:1989年成蹊大学経済学部卒、宅地建物取引士、マンション管理士。建築案件に強みを持ち、認可保育園等の安定した利回りの土地有効活用を多数手掛ける。地主様の相続案件の経験も豊富で、生産緑地対応、借地対応、物納手続きも得意とする。

※役職名、内容等は取材時のものです。