2022.04.20
事業承継
事業承継を検討する前に知っておきたい問題とは?
事業承継の基本情報もご紹介



会社の経営を円滑に引き継ぐために重要な事業承継。近年では深刻な後継者不足や後継者の育成不足などによって、事業承継を円滑に進めることができない中小企業が増えており、年々経営者の年齢も高くなっています。

事業承継には主に「親族承継」「社員承継」「M&A等の第三者承継」「転廃業」の4種類ありますが、いずれにせよ事業承継を検討した段階で早めの対策が必要です。
本記事では、事業承継の問題・課題や注意点などをわかりやすく解説していきます。

企業が抱える事業承継の問題とは?

少子高齢化が叫ばれている現代ですが、企業においても経営者の高齢化が大きな課題として取り上げられています。経営者の高齢化が進むと積極的に事業承継を行うことが難しくなり、中小企業が衰退してしまいかねません。

企業経営者の高齢化が進んでいる背景には、以下3つの要因があります。

・後継者がいない
・後継者の育成ができない
・承継後の事業の見通しが難しい

これらの問題を根本的に解決することで、結果として企業の繁栄が期待できるようになります。
それぞれ詳しく掘り下げてみましょう。

後継者がいない

企業経営者の高齢化が進んでいる要因として大きいのは後継者が不在であるということでしょう。

親族や会社内に後継者に適した人物がいれば、スムーズに事業承継を進めることが可能です。しかし、現在の企業の多くは後継者に適任の人材が足りていない状況です。仮に親族や社内で後継者候補がいたとしても、経営に適していなければ事業の成長は見込めません。この状態が続くと経営者が高齢であっても事業承継をすることができず、やがて倒産に追い込まれてしまう危険性があります。

後継者が不在のままだと、会社経営にそのまま悪影響を与えてしまうのです。

後継者の育成ができない

後継者の育成ができない企業が多いというのも大きな問題です。

事業承継をスムーズに進め、承継後の経営を円滑に行うためには経営に関しての豊富な知識や高いスキルを兼ね備えた後継者を育成する必要があります。後継者の育成は一朝一夕でできるものではありません。これまで培ってきたノウハウを余すところなく後継者に伝え、なおかつ後継者がそれを問題なく発揮できる状態にする必要があります。

そのため、後継者の育成には数年から十数年単位という長期の育成期間が必要ですが、現状、後継者の育成に多大な時間と労力を割くことができる経営者は多くありません。経営者が高齢になるほど後継者育成は難易度を増し、育成のタイミングを作ることができずに事業承継が不可能になってしまう可能性もあります。

事業承継を滞りなく進め、承継後も問題なく経営を続けていくためには後継者を育成できる環境を整えなければならないのです。

承継後の事業の見通しが難しい

後継者不足や後継者の育成不足により、承継後の事業の見通しが難しくなってしまうことも大きな問題だと言えるでしょう。

後継者が見つかったとしても、しっかりと承継後の事業の見通しができていないと後継者が承継を拒否してしまう可能性があります。社長という役職は魅力的なものですが、負債などのマイナス面もすべて引き継がれるので、後継者にはすべての情報を伝達していかなければなりません。

事業を引き継ぐリスクはかなり大きいものなので、後継者が事業を円滑に行っていけるよう承継後の事業の見通しを立てることは非常に重要です。後継者がいないため、事業の見通しが立たないと、外部の承継候補者からも敬遠されてしまう……という負のループに陥ってしまいます。

事業承継で後悔しないために

事業承継には、ここまで見てきたように大きな問題が複数存在しています。これらの問題点から目を背けていては承継後に後悔してしまいかねません。そのため一般的な事業承継の問題点を確実に把握し、自社の課題と合わせて対策を考える必要があります。

事業承継を検討しているのであれば、早いうちから準備に取り掛かるようにしましょう。できるタイミングで対策を行っていかないと、自身で会社を経営できない状況になったときに円滑に事業承継をすることができなくなってしまいます。事業承継には問題が多々ありますが、解決策は必ず見つかります。自社の問題点はなにか明確にし、早いうちから対策を練っていきましょう。

事業承継を検討するうえでの注意点

事業承継を進めていくうえで注意すべき点は以下の3つです。

・会社の現状を正確に把握する
・早めに対策をする
・承継後も働く従業員に配慮をする

上記のような注意点は事業承継を進めるうえで非常に重要です。事業承継は単なる経営者の交代ではないため、細部まで注意を払わないと失敗してしまう可能性が大いに高まります。ぜひしっかりとチェックしてみてください。

会社の現状を正確に把握する

事業承継を行う際は、まず会社の経営状況を正確に把握しておきましょう。

具体的には、自社の資産状況や株式保有状況、株式評価額など会社の財政状態についてです。財務諸表を作成して目で見てわかる形にすれば、後継者の不安を払拭しながら事業承継を進めることができるでしょう。

正式に引き継ぐまでに、経営改善に向けてすべきことが見えてくるので、より良い状態で承継を行うことが可能です。

また、財務諸表など資金状況をはっきりさせておけば金融機関からの信頼向上も見込めます。会社の現状を確実に把握してスムーズに事業承継を進められるようにしておきましょう。

早めに対策をする

先述の通り、事業承継は、承継を検討し始めた時点で早めに対策を講じていく必要があります。

後継者がはっきりと決まっていて育成も順調なのであれば問題ありませんが、事業承継には基本的に数年単位の時間がかかるものです。準備に取り掛かるタイミングが遅くなれば円滑に事業承継を進めることができず、廃業・倒産といった選択肢を選ばざるをえない状況となってしまうかもしれません。

どのような場合でも早めの対策をするに越したことはなく、事業承継に向けて会社の体制を整えることができます。できる限り早めに準備を進めましょう。

承継後も働く従業員に配慮をする

承継後も継続して勤務する従業員への配慮もおろそかにしてはいけません。

後継者の選定や育成、承継後の経営計画など確実に周知しておかなければ事業承継に不満を抱いた従業員が離職してしまう可能性があります。事業承継にあたって後継者だけでなく従業員への配慮もしっかりと行いましょう。

事業承継の手続き自体が円滑に進んだとしても、承継後に従業員がいなくなれば結果的に倒産の危険性が高まります。細かい点まで従業員に配慮しながら事業承継を進めていきましょう。

事業承継の方法



続いて事業承継の方法について詳しくご紹介していきます。中小企業が事業承継を進める方法は大きく以下の4つに分けられます。

・親族承継
・社員承継
・M&Aなどの第三者承継
・転廃業

それぞれの特徴を把握して、自身の事業にマッチする方法で事業承継を行いましょう。

親族承継

親族承継とは、その名の通り経営者自身の息子や配偶者などの親族を会社の後継者として選ぶ方法のことです。

親族承継を前提にしておくと、後継者選びに時間や労力を費やす必要がないため、スムーズに事業承継を進めることができます。

また従業員や取引先などの関係者から理解を得られやすいのも特徴です。親族に承継することがあらかじめ周知されていれば、事業承継に不満を抱いて従業員が離職したり、取引先に関係を解消されたりする心配が軽減されます。

しかし、後継者候補となる親族に、必ず承継の意志や経営者としての資質があるとは限りません。後継者に任命するつもりだった親族に、会社を引き継ぐ意志が無ければ、一から後継者候補を探すことになります。親族だからと安易に後継者に選んでしまうと、その親族に経営者としての資質が無ければ承継後に経営が傾いてしまう可能性があります。

親族承継の場合は承継に関しての情報の伝達を常に意識し、後継者の意志や資質を見極めたうえで手続きを進めていきましょう。

社員承継

社員承継とは、親族以外の社員を会社の後継者にすることです。

この事業承継の方法なら、会社の状況を知り尽くしている社員を後継者にすることで経営を安定させたまま事業承継をすることができます。

しかし社員承継では、いくら優秀な人物を見つけることができても親族承継の場合と比べて資金面でのハードルが高くなります。自社株を引き継ぐことを考えると後継者に高い財力が必要になってしまうので注意が必要です。

経営者としての優秀さだけでなく、総合的に判断して後継者を見つけていきましょう。

M&A等の第三者承継

M&Aは会社や事業を他社に売却することで事業承継を進める方法です。

M&Aは、親族内にも社内にも適正な後継者が見つからない場合に有効な手段で、後継者不足が深刻化している現代では広く注目を集めています。会社や事業を他社に売却することで、経営者にはこれまでの売却益が残るため老後資金として利用することができるようになります。また、M&A需要が高まっていることで専門のコンサルティング会社が多く存在し、後継者の選定から事業承継の手続きまでスムーズに進めることが可能です。

ただし、条件を満たす買い手を見つけることは容易ではなく、事業方針は買い手企業にゆだねることになるので経営の一体性を保てない可能性があります。とは言っても専門のコンサルティング会社に依頼すれば全面的なサポートを受けられるので、親族内や社内で後継者を見つけられなければ積極的に検討してみましょう。

転廃業

事業承継を検討する状況において、選択肢の一つとして、無理に承継せず転業または廃業をするということも検討しておきましょう。

事業を引き継いで続けてもらいたいという気持ちを持つのは当然ながら、赤字が続き、純資産が減少傾向の企業においては特に早めの検討が必要です。状況によっては承継をするよりも転業・廃業をするという選択肢がベストな場合もあります。

この判断は事業主個人では難しいため、事業承継のコンサルティング会社に相談をすることをおすすめします。廃業という言葉にはあまり良いイメージが無いかもしれませんが、倒産とは違い、従業員や取引先に迷惑をかけないように事業をたたんでいく点で、決して悪い結果ではありません。廃業も含めた選択肢を提案してくれる事業承継のプロなら、安心してコンサルティングを任せることができるでしょう。

大切なのは4つの選択肢を理解すること



事業承継の方法を4つご紹介いたしました。

それぞれの方法の中で、どれがベストなのかは事業の状況によって異なります。また、どの選択肢を選んでもそれぞれに課題があるということを理解しておくことが大切です。

事業の成長性
株式の承継方法
後継者の資金負担

などの課題が挙げられます。
各選択肢の基本的な内容から、直面しうる課題まで深く理解をすることで、最良の選択につながります。

事業承継のコンサルティング会社に相談しよう

多くの経営者は事業承継を初めて取り組むことになるため、最適な選択肢の選び方も、承継するうえでの問題もわからないという場合がほとんどです。事業承継を検討し始めるタイミングで、事業承継専門のコンサルティング会社に相談すると良いでしょう。

事業承継における後継者不足の問題が深刻化してきたことで、企業向けの事業承継コンサルティング会社は増えつつあります。事業承継コンサルティング会社は、親族内外承継からM&A、転廃業まで幅広い事業承継を取り扱っており、実績やノウハウも豊富なため事業承継に関して総合的なサポートを受けることができます。

また、税理士や弁護士など各士業とのつながりが強いため、各分野の専門機関からアドバイスを受けることもできます。専門のコンサルティング会社に相談することで、事業承継を最後までスムーズに進めることができるでしょう。

事業承継は早めの対策が重要

事業承継の問題や方法などについて詳しく見てきましたが、事業承継を検討しているのであればできる限り早めの対策が必要です。

先述のように、後継者不足などが原因で中小企業経営者は高齢化が進んでいます。経営者が高齢になるほど事業承継が難しくなり、最悪の場合、突然の倒産となってしまいかねません。

親族承継などで後継者が既に決まっている場合でも、後継者の意志や適性を見極める必要があるので、いずれにせよ事業承継にはかなりの時間を要します。

事業承継を検討した段階で早めに動き出すことで後悔しない事業承継にすることができます。納得のいく事業承継をするためにできる限り早めに行動を開始しましょう。

まとめ

現在の日本の企業は、後継者不足や後継者の育成が不十分な状況にあることで経営者の高齢化が加速しています。

経営者が高齢になるほど事業承継は困難になり、事業承継が円滑に行われないと業績悪化や廃業などのリスクが高まってしまいます。

事業承継には「親族承継」「社員承継」「M&A等の第三者承継」「転廃業」という4つの方法がありますが、すべてに共通して早めに対策をとることがなにより重要です。

それぞれの選択肢によって解決することだけに注目するのではなく、4つの選択肢ごとの問題・課題まできちんと理解したうえで、ベストな事業承継方法を選びましょう。
困った時や悩んだ時は、事業承継のコンサルティング会社に相談することをおすすめします。豊富なノウハウを持つ事業承継のプロフェッショナルが、最適な選択をサポートしてくれます。

ご相談は青山財産ネットワークスへ

このように事業の承継では、「経営の承継」と自社株を含めた「財産の承継」の2つの側面があり、後継者問題や、相続等の問題を解決し、経営と財産を円滑に承継する必要があります。青山財産ネットワークスは、創立30年以上、事業承継・相続といった財産の承継・運用・管理に関わる企業オーナー・資産家の悩みの解決に尽力してきました。

事業承継を成功させる上では、「考え方」と「計画」が特に重要です。30年以上の実績から得られた「5つの視点」と「全体最適」の考え方をもとに、国家資格保有者150名以上を有する専門家集団としてバランスの取れた承継プランの策定・実行の支援をさせていただきます。

いつから始めたら良いのか、何から始めればよいのかと少しでも悩んだらぜひご相談ください。後継者、従業員、ご家族も含め企業オーナー様が皆様から感謝される、そういった事業承継をご支援いたします。

【当社の考え方と事例の紹介】
企業オーナーが事業と財産を守り、承継するために重要となる「部分最適」から「全体最適」の考え方と事例について、当社コンサルタントが紹介しています。
■「まさか」が現実となった時代。企業オーナーが事業と財産を守り、承継するために「部分最適」から「全体最適」へ
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