2022.06.28
税制・法令
相続税路線価とは?相続税の計算方法や路線価の調べ方を解説

2023年7月7日更新

これから相続対策を検討する人にとって、不動産の評価額は気になるところではないでしょうか。
「土地・建物の相続評価額は実勢価格(時価)よりも低くなる場合がある」という話を聞いたことがある人は多くいても、実際に所有している不動産がどれくらいの評価額になるのかを把握しているという人は意外と多くはありません。
国税庁が定める「路線価」や「補正率」を用いることで、自分でも評価額を概算することは可能です。基本的な評価計算の構造は把握しておくようにしましょう。
この記事では土地を評価するときに押さえておくべきポイントについて解説します。

2022年の相続税路線価の動向についてはこちらの記事にて解説しています。

相続税路線価とは?

相続税路線価とは、相続税や贈与税にかかわる土地の評価額、つまりは相続税評価額を算出するために国税庁が定めた指標です。
通常は道路ごとに評価額の㎡単価が定められており、そこに補正率で調整を加えた上で、対象となる土地の面積(㎡)を乗じることにより評価額を算出します。計算式で表すと「(路線価×補正率)×面積」となります。

ここでの補正率とは、簡潔にあらわすと「土地としての活用のしやすさ(建物が建築しやすいかどうかなど)」を表しています。奥行きが長すぎたり短すぎる場合は活用が難しいため補正率が減算され、反対に、土地が複数路線に接している場合は利用価値が高いため加算されます。そのほか、道路との距離や土地の形、再開発予定地かどうかなどで補正率が変動します。

相続税路線価の確認方法

自分の土地の路線価を確認するときは、国税庁ホームページで公開されている「路線価図・評価倍率表」というツールを活用すると便利です。
上記リンクにアクセスすると都道府県地図から対象地域まで絞り込めるようになっているので、まずはマップの中から該当の土地を探します。
土地が見つかったら、あとは接する道路に記載された路線価の価額を確認します。
路線価は国税庁が毎年7月上旬に発表します。同じ土地でも前年度と今年度の評価額に差異が生じるということも珍しくないので、必ず最新のマップを確認するようにしましょう。

路線価図では、路線価は1つの道路に対して1個、数字とアルファベットを組み合わせた記号として記されています。この数字が価格に当たりますが、千円単位となっていますので注意が必要です。

路線価図のマップから確認できない場合は、該当の土地を管轄する税務署の窓口に問い合わせることもできます。

路線価方式による相続税の計算方法

 

自分の土地の相続税路線価が確認できたら、次は補正率を確認します。

全ての不動産は唯一無二(同じ物件は存在しない)と言われており、同じ路線上で全く同じ面積の2つの土地があったとしても評価額が一致するとは限りません。
自分の土地にはどのような条件が加算されるのかということを客観的に把握しておきましょう。

ただ、価格補正には複雑なルールがあるため専門家でなければ厳密な価格を算出することは困難です。どのような補正があるのかという大枠をイメージしておくと良いでしょう。

土地の形状や道などによる価格の補正

一般的に採用されている「路線価方式」という計算方法では、前述したように、「(路線価×補正率)×面積」となります。
土地の評価額が下がる要素として、次の条件があげられます。

■奥行価格補正
土地の奥行きが長すぎたり短すぎたりする場合、建築計画が立てづらいことからマイナス要素として補正されます。

■不整形地補正
土地は真四角(整形地)であるほど利用がしやすく、逆にいびつな形であるほどマイナス要素として補正されます。

■間口狭小補正
間口が狭い土地ほど評価額は低くなります。ただし、広い敷地に対して大きな建物を建築できる場合(商業エリアなど)は間口補正が小さくなることもあります。

■がけ地補正
土地の傾斜が著しい場合、建築ができなかったり、多額の費用がかかったりすることがあるため、マイナスの補正が加わります。
 
上記の条件に該当する場合は【路線価×面積】の価格よりも低い評価となります。
一方で、土地が複数面道路に接している場合や角地などといった利用がしやすい土地については評価があがることもあります。例えば、正面と側方、正面と裏面に接している等の複数の道路に面している土地の場合は、1㎡あたりの調整後の路線価が高いほうの道路を正面道路と考え、側方路線影響加算率や二方路線影響加算率で側方路線価や裏面路線価を算出して評価を行います。

補正については、下記のページを参照ください。
 
No.4604 路線価方式による宅地の評価(国税庁)
付表 奥行価格補正率表(国税庁)

具体的な計算方法

具体例をもとに価格補正の計算をしてみましょう。
普通住宅地区内の200㎡の敷地で、相続税路線価の㎡単価が50万円、奥行きが8m、間口が25mの場合です。普通住宅地区では奥行きが10~24mの範囲であれば補正はかかりませんが、それよりも小さすぎたり大きすぎたりするとマイナス補正がはたらきます。今回は8mしかないため奥行価格補正率は97%となります。間口については8m以上の範囲は補正がかからないため、間口狭小補正は無しになります。
計算式にすると、50万円×0.97×200㎡=9,700万円の評価となります。
このように、土地の形状や接道状況などの条件を1つ1つ加算していき、土地の評価額を算出します。 

相続税路線価が設定されていない場合は「倍率方式」を用いる

人口が比較的少ない町村などでは路線価が定められていない場合もあります。
路線価が設定されていない地域の場合、「倍率方式」という計算方法を用いて相続税評価額を算出します。
倍率方式は、固定資産税評価額をベースとして国税庁が定めた一定の倍率をかけて計算するという方法です。

倍率方式で土地の評価額を計算するときは、まずは市町村役場の資産税課で評価証明書または公課証明書を取得するのが一般的です。
証明書に記載された評価額に対して一定の評価倍率をかけて評価額を算出します。
評価の倍率については先ほど紹介した「路線価図・評価倍率表(国税庁)」のページで確認することができます。

なお、固定資産税評価額はすでに市町村が補正を行った価格ですので、倍率方式で相続評価額を算出するときは補正率を加味する必要はありません。

確実な相続税の計算は専門家にご相談を


相続税の算出は原則として申告制です。よく勘違いされますが、税務署が勝手に土地を評価して税額を算出するわけではありません。
相続が発生したときは、納税義務者が自分で路線価や補正率を用いて土地の評価額を算出し、税額を税務署に申告することになります。

注意するべき点は、間違って高めに評価してしまった場合は高い納税額を払うことになり、低く評価してしまった場合は納税後に追徴課税を請求されることがあるということです。
あとで税務トラブルにならないためにも、土地の評価額の計算については専門家に相談することを強くおすすめします。

相続の相談に適した専門家とは?

相続にまつわる土地の評価に関する相談は、主に税理士が対応しています。
ただし、税理士ならどこの事務所でもいいというわけではありません。
ひとくちに税務といっても法人税や譲渡税など分野は多岐にわたり、事務所によって得意分野が異なります。

近年では不動産会社や資産コンサルティング会社で顧問の税理士などを紹介してもらえるケースもあります。
将来的に不動産の売買や資産形成などを併せて検討している場合は、税相談から取引事務までワンストップで対応できる会社に相談しておけば窓口を一本化でき、円滑に財産を管理できるようになります。  

相続全体を見据えた対応が重要

相続対策は短期間で完結できるものではありません。
全体を見据えて長期的な計画を立てていくことが重要であり、早めに検討に取り掛かることを推奨します。

少なくとも下記の項目については、常に把握しておくようにしましょう。
①相続人が誰なのか、どの財産を誰に承継するのか
②相続財産は総額でいくらになるのか
③相続発生時の税額はいくらになるのか

上記項目以外でも、相続発生時にどのような問題が生じうるのかということを想定して対策を立てておくことも大切です。

ところが相続は頻繁に経験することではないので、どのようなことを想定すればいいのかも分からないという人がほとんどです。
相続案件に長けたプロの専門家にあらかじめ相談しておくことで、あらゆるリスクを軽減することができます。

青山財産ネットワークスの強み

青山財産ネットワークスは、個人の資産家が抱える財産承継問題の解決を支援するコンサルティング会社です。
また相続対策のほかにも事業承継や財産運用などのコンサルタントなどを得意としており、約30年にわたってサービスを展開しています。
相談者が抱える課題解決に留まらず、二代目、三代目までを視野にいれた長期的な「100年財産コンサルティング」をモットーとしており、円滑な財産承継の実現に向けて最適なアドバイスを提供しています。

まとめ

相続にまつわる土地評価の計算はとても複雑なルールとなっているので、初心者には把握することも難しく、相続対策が手付かずになってしまっている人も珍しくないと思います。
しかし相続対策は将来を見据えた対応が肝心です。
路線価や補正率を用いることでざっくりとした評価額の水準を知ることができるので、ぜひご活用ください。
それでも不安な方は早めに専門家へ相談することをおすすめします。十分な対策をとっておくことが円満相続につながります。

また、路線価や固定資産税評価といった公的評価は毎年価格が変更されるため、定期的に計算しておくようにしましょう。
不動産を多く所有している方ほど影響も大きくなるので、特に注意しておきたいところです。

※詳細については、税理士・税理士法人等の専門家や所轄の税務署等にお問い合わせ下さい。

相続税路線価にまつわるご相談は青山財産ネットワークスへ

青山財産ネットワークスは、対面相談はもちろん、WEB面談や電話相談など希望に合わせて対応させていただきます。
アドバンテージクラブのほか、財産承継のことで悩んでいることがあれば気軽にご相談ください。

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