2022.07.14
財産承継
「100年コンサルティング」を目指して、 お客様と長期にわたるリレーションを構築
「100年後もあなたのベストパートナー」――青山財産ネットワークスの合言葉です。
当グループでは、金融・不動産・税務など各分野のプロフェッショナルが連携し、二代、三代先までを視野に入れた「100 年財産コンサルティング」に力を入れています。

今回は、実際にお付き合いが長期間にわたるお客様とのエピソードをご紹介します。
お話しするのは、青山財産ネットワークスグループの1社で、総合資産コンサルティングを手がける株式会社日本資産総研の大網健。 約30年にわたり、お客様一族をどのように支えてきたのかをお伝えします。



「相続対策」の相談からスタート。予期せぬ事態を乗り越える

Aさん(現在70代後半)のご一族と、私たち日本資産総研(以下、NSS)とのお付き合いは約30年にわたります。
ご一族は不動産賃貸業を営む地主。Aさんのお父様(当時70代)の相続対策について、現在のNSS代表の小川が個別相談をお受けしたのが始まりでした。
お母様はすでに他界されており、当時、一族側の窓口となっていたのは、5人兄弟の長女であるBさん(当時40代)。Aさんの妹でした。

資産状況の分析を踏まえ、当時、提案・実行したのは次のような施策です。

●相続対策として、都内で土地を購入し、収益物件を建築
●将来の退職金準備として、逓増定期保険に加入
●法人の収益UPのため個人所有の収益物件の法人化
●青山財産ネットワークスの『アドバンテージクラブ(ADVANTAGE CLUB)』(任意組合金銭出資型)(※)の活用
●法人の収益UPため投資用コンテナの購入

※アドバンテージクラブ/東京都内中心部の資産価値の高い不動産を共同で購入し、不動産賃貸で収益を受け取る不動産賃貸システム
 (▶アドバンテージクラブの詳細は、こちらからご覧いただけます。)

これらの対策は順調に運んでいたのですが、途中で予期せぬ事態が起こりました。
窓口となってくださっていたBさんにがんが見つかり、短期間で進行して、お父様より先に亡くなってしまったのです。
逓増定期保険に加入していたため、数億円の死亡保険金が法人に入り、予期していなかった相続が発生。それまでの相続対策プランを変更する必要があり、長男であるAさん(当時50代)が当主として対応を引き継ぐことになりました。

しかし、5人兄弟のうち、亡くなったBさんだけが実家に関わり、Aさんを含む4人は長らく疎遠な状態でした。
Aさんは実家の資産状況をまったく把握していなかったため、当社コンサルタントからこれまでの経緯と現状をご説明し、顧問契約を継続。分析・提案をし直し、新たなプランを実行しました。

不動産運用を中心に、グループメンバー10名以上の体制で支える

その後、お付き合いを続ける中で、Aさんに喜んでいただいたサポートがありました。
お父様が他界後、相続に伴う問題が発生したときです。
相続対策として保有していた土地・建物について、新たな連帯保証人が必要となったのですが、弟妹3人には難色を示されてしまいました。保証人が付かないことで、銀行から借入金の一括返済を求められたのです。

困ったAさんは、物件の売却を希望されました。もともと私たちのご提案で建てた優良な物件でしたので、当社の他のお客様にご案内したところ、スムーズに売却が完了。借入金を全額返済できました。
Aさんは「無借金になり、気持ちが楽になった」と安堵されたのでした。

ただし、無借金になったものの収益は低下します。そこで、手元の資産を活用し、前回より低額の収益物件の購入を提案。結果、新たに2物件を購入され、後に高値で売れるタイミングで売却したことで利益を生むことができました。

途中で私が主担当を引き継ぎ、およそ15年が経ちます。この間、相続対策として『アドバンテージクラブ』を継続して活用いただいています。
その他の物件購入→タイミングを見計らっての売却をご提案することで、数億円の売却益を生み出しています。
現在は、契約書など重要書類の保管も任せていただいています。

主担当は私ですが、不動産の有効活用や売買、資産管理会社(法人)活用、税務・法務関連等のさまざまな分野の専門担当者と連携しているため、NSSおよび青山財産ネットワークスのグループでは、総勢10名以上のメンバーでAさんを支えていることになります。

私自身は最低でも月2回、新たな情報を携えてAさんを定期訪問しています。
例えば、春には確定申告の前年比較や固定資産税の変化を伝え、夏には新たに発表された路線価をもとに業務提携先の税理士法人が試算した相続税の概算を税理士法人と同行訪問してお知らせします。

毎回心がけているのは、「何か一つはAさんが関心のある情報を届ける」こと。「アドバンテージクラブの物件への入居が好調です」「賃料が上がってきています」といったようにです。
また、資産に関係なくても、Aさんが興味を持ちそうな情報や話題を提供するようにしています。

「終活」の段階へ。お客様の想いや価値観に沿った提案を

現在、70代後半となったAさん。2年ほど前に「終活」を始めました。
結婚歴がなく子どもがいないAさんにとって、相続人は今も疎遠なままの弟と妹、3人です。

「不動産を遺しても、弟妹たちには管理ができず困るだろう」

そんなお考えから、現在は保有している物件を売却し、換金していく方向で進めています。私たちはアドバンテージクラブの物件以外に、ご先祖から受け継いだ不動産の売却もお任せいただいています。

しかし、売却して得た現金を銀行口座に置いておいても、金利はほとんどつきません。そこで、青山財産ネットワークスグループの中で、金融商品運用に特化したコンサルティングを行う「青山フィナンシャルサービス(AFS)」と連携。リスクが少ない資産運用によって、安定的に資産を増やしていけるようにサポートを行っています。

ご兄弟とは何十年も疎遠な状態が続いている状態ですが、いつか相続の場面に立ち会う日が来たら、Aさんの想い・心配りを弟さん妹さんにしっかりとお伝えしたいと考えています。

また、いずれAさんが遺すことになる財産は、Aさんの生き方が反映されるような活用ができれば、と考えています。
Aさんは、災害などが起きたとき、被災地にポンと1000万円の寄付をするような方です。ですから、社会貢献につながるような活用ができればうれしいのではないかと思います。
青山財産ネットワークスでは、教育・文化・科学・スポーツなどの「財団」の設立・運営や、官民連携の「地域創生プロジェクト」など、社会貢献につながる取り組みも行っています。
Aさんのご希望に応じて、さまざまな選択肢を提供していきたいと考えています。

お客様から学び、成長することで、より良いサービスを提供し続けたい

Aさんとは、「財産コンサルタントと顧客」以上の関係が築かれていると感じています。
9年前の早春、今でもよく思い出す大きな出来事がありました。

Aさんとの約束の時間に自宅を訪問したところ、インターフォンに反応がありません。
「出かけているのだろうか」と、近隣でAさんがよく利用する書店やスーパーをのぞいたり、お散歩のコースを辿ってみたりしました。
それでも姿が見当たらず、再び自宅へ。玄関へさらに近づいてみると、TVの音がかすかに聞こえます。
「Aさんは室内にいる」と確信した私は、警察へ通報。駆け付けた警官と一緒に窓から呼びかけたところ、Aさんが応答する声が聞こえました。

Aさんは脳出血を起こして倒れていたのです。窓を割って入室し、救急車で緊急搬送。かろうじて一命をとりとめました。
もしあのとき、不在だと思ってそのまま帰り、発見が遅れたとしたら……後日、医師から「発見が遅れていたら、助からなかった可能性が高い」と聞きました。
Aさんとは長いお付き合いで、「訪問の約束を忘れる方ではない」という確信があったからこそ、異変に気付くことができたと思います。
また、Aさんも倒れてからわずかな意識があったそうで、「大網さんは必ず来るとわかっていたから、待っていた」とのことでした。

退院して以降、Aさんはグループホームに入居。私が定期訪問すると、私や前任者の近況を尋ね、気遣ってくださいます。「最近冷えてきたから」と、防寒グッズをいただいたこともあります。
お互い、コンサルタントと顧客というより、「甥っ子」「親戚のおじさん」のような感覚です。
読書家であるAさんからは、さまざまな知識を教えていただいてもいます。
私は財産のプロとしての知識を提供する一方で、Aさんから人生について学ばせていただいているのです。

「教えていただく」というスタンスは、他のお客様に対しても同じです。
私は、悪く言えば図々しい、よく言えば人懐っこくオープンな性格なので、お客様にプライベートな話もしますし、悩みの相談もします。お客様たちは快くアドバイスをくださり、私は教えていただいたことを素直に実践して成果を報告し、感謝を述べる。お客様との関係を通じて自身が成長することで、さらに良いサービスを提供できる。そんなふうに人間関係を築いています。

私が目指すのは、「他の人には話せないことも安心して話せるコンサルタント」です。
何でも話していただけて、誰よりもお客様のことを知ることで、その方にとって最適な商品やサービスを見極め、提案したいのです。
「大網さんがいないと困るよ」と言っていただけることが何よりの喜びですから、これからもお客様にとって「なくてはならない存在」「かけがえのない存在」でありたいと思います。
 

株式会社日本資産総研
コンサルティング事業本部 事業承継・M&A事業部 部長 

大網 健

大学で経済を学び、福祉業界・会計業界を経て現職。得意分野は相続・事業承継を中心とした個人向けコンサルティング。税理士も知らない知識をベースとするアドバイス、お客様自身が気付いていない問題点の掘り起こしを行う。セミナー講師も務め、専門的な言葉を使わずに行うわかりやすい解説に定評がある。

※役職名、内容等は取材時のものです。

 
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