2024.04.01
財産運用
土地活用とは|メリットやデメリット、活用方法の選び方を紹介
土地活用とは、自身が所有する土地を有効活用して、利益を得ることを指しています。空き地や空き家のままになっている土地等を持っている場合は、土地活用の検討をおすすめします。

また、土地活用しているものの収益性に課題を感じている方も、活用方法を見直してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事では、土地活用の基礎知識について説明します。土地活用のメリットやデメリット、活用方法を選ぶ際の着眼点、迷った際の相談先など、土地活用を検討中の方に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

土地活用とは



遊休地や、自宅の庭などの土地を有効活用して、利益を得ることが土地活用です。その方法は多岐にわたり、自分の資金で活用する、他者と共同で活用するなど、さまざまなアプローチの仕方があります。まずは、土地活用にはどのような手法があるのかについて見ていきましょう。

土地活用の分類

土地活用にはさまざまな方法があり、建物を建築して貸す「自己活用」「共同活用」や、「貸地(土地貸し)」「売却」に分類できます。

自己活用(建て貸し)

土地の所有者が、自己の資金や金融機関からの融資でマンションや店舗などの建物を建てるなどして活用する方法です。建築する建物規模によっては大きな初期費用が必要ですが、それに比例した収入を得られるというメリットがあります。

共同活用

土地の所有者が、不動産会社などの開発事業者と共同で土地活用に取り組む方法です。所有者は土地を提供し、開発事業者が建物の建築とその後の運営管理を担います。共同での土地活用なので、収益は所有者と開発事業者とで分け合うことになります。

貸地(土地貸し)

所有している土地をそのまま貸し出し、収入を得るのが貸地という方法です。活用の方法によっては、土地所有者は資金がなくても始められます。また、必要に応じて借主が建物を建て、管理も行うため、事業リスクは低いと言えます。一方で、収入が少なくなることが一般的です。

売却

建物を建てる資金がない、その土地に合う活用方法が見つからないといった場合には、売却して他の財産に組み換えるという選択肢もあります。土地を売却することでまとまった現金が得られ、土地を維持管理するための費用や手間も必要ありません。

代表的な土地活用の方法

人気のある土地活用の方法として、アパートやマンションの経営が挙げられます。ただ、それはほんの一例に過ぎず、実際には非常に多くの方法があります。以下、代表的な土地活用の方法をご紹介します。
・アパートおよびマンション
・戸建賃貸住宅
・シェアハウス
・ガレージハウス
・オフィスビル
・トランクルーム
・店舗
・社会福祉施設
・駐車場
・太陽光発電

土地活用のメリット

土地活用のメリットとして第一に挙げられるのは、長年にわたり安定した収益が得られる可能性があることです。たとえば賃貸のマンションやアパートの経営では、空室率を低く抑えられると、より大きい収益を獲得するチャンスがあります。また、土地活用の方法によっては、固定資産税や相続税、所得税などの額を抑制できる可能性もあります。

土地活用を本業とするのはもちろん、別に本業となる仕事を持ち、土地活用は副業として取り組んでいくという考え方もあります。本業に加えて、土地活用を通じて収入が得られるという点についても、土地活用の魅力と言えます。

土地活用のリスク

土地活用は収益を得られるというメリットがある一方、リスクが低いというわけではありません。たとえば、賃貸アパートを建てたものの、入居率や家賃が下がれば想定した収益を得られないことになるでしょう。また、入居者が家賃を滞納する恐れも考えられます。こうしたことが続けば、借入の返済も苦しくなる等、収支計画も変更を余儀なくされ、マンションの経営は成り立たちません。

災害の発生も、土地活用にとって大きなリスクです。地震や台風といった自然災害によって、建物が倒壊や焼失といった被害を受けるかもしれません。その場合、資産が大きく毀損されることになります。
また、土地活用は長期間に渡るため、地域社会の変化によって不動産の価値が低下する恐れがあります。不動産の価値が下がると、売却する際の金額も下がってしまいます。このように土地活用はリスクと隣り合わせであり、始める際には活用プランのリスクをしっかり見極めることが大切です。

土地活用を検討する際の着眼点



土地活用で利益を確保しようとする場合、基本的には数年、数十年と長期間にわたって経営を続けていくことになります。長く続けていくためには、どれくらいの費用がかかるのか、どれくらいの収益が得られるかといった点について理解しておくことが大切です。そこでこちらでは、土地活用を検討する際の着眼点について解説していきます。

費用

土地活用を始める際には、基本的に初期費用がかかります。駐車場など費用負担が少ない活用法もありますが、マンションや店舗などを建てる場合には規模によって数億円~数十億円ほどの費用が必要となる可能性があります。
建築費用の一部を金融機関の融資を利用することも可能ですが、元本や利息の返済はもちろん、将来の利率上昇にも留意しなくてはなりません。

また、アパートやマンションなどは、空室や家賃下落が生じないよう、物件の所有者が維持管理や修繕の費用も負担することになります。
このように土地活用は、長期間にわたってランニングコストを払い続ける必要があります。そのため、土地活用を検討する際には、初期費用はもちろんのこと将来の費用も考慮した上で決めることが大切です。

収益性

収益性も、土地活用を始める上で重視すべき要素です。ただ、土地活用の方法によって得られる収益は異なるため、まずはその土地の最も有効な使用法をあらゆる角度から検討することから始めます。
土地活用の収益性は、「どの土地がどのような場所にあるのか」という立地に大きく左右されます。たとえば貸店舗の場合、人通りが多い好立地の場所であれば高い賃料を設定しても借り手が見つかりやすいため、高い収益が期待できます。

また、基本的な賃料が高い事業を選ぶというアプローチも可能です。建物を賃貸する場合、店舗やオフィスの賃料は住居系よりも高めになっています。従って、どちらも建てられる場所であれば、商業系、住居系のいずれかだけでなく、混合型の選択肢も視野に入れて検討してみてください。
収益性を重視するのであれば、このような立地や土地の形状などを見極めた上で、有効活用するべき土地、してはいけない土地を判断すべきだと言えるでしょう。

税金

土地活用の方法によっては、課税される税金の種類や税率も変わってきます。まず、土地や建物といった不動産を所有していれば、固定資産税がかかります。それは、使い道がなく放置されている更地であっても同様です。しかし、土地の上に建物があれば土地の固定資産税は大きく減額されます。相続税の金額は相続税評価額等によって決まりますが、不動産の評価額は預貯金よりも低くなることが少なくありません。

将来の資産価値

不動産(土地)は、たとえ相続した後に放置していたとしても、固定資産税や都市計画税などのランニングコストがかかります。そのため、不動産の相続に直面した場合には、有効な活用方法を考えるのも選択肢の一つです。土地の活用方法には、そのまま自分で住む、売却する、修繕や建替えを施しながら、収益源にするなどさまざまな選択肢があります。費用や利回り、立地条件などをふまえて、慎重に判断することが大切です。

土地活用で迷ったときの相談先



実際に土地活用を始めようと思っても、誰に相談すればいいのかわからないかもしれません。そこでこちらでは、土地活用を検討する際の主な相談先について解説していきます。それぞれ得意とする分野や担当できる業務の範囲がありますので、どこに相談すれば自分にとってメリットが大きいのかを考えて適切な相談先を選びましょう。

ハウスメーカー

賃貸のアパートやマンションの経営を検討しているのであれば、ハウスメーカーが適しています。中でも規模が大きい総合ハウスメーカーであれば、建物の設計・施工はもちろん、入居者が住み始めてからの設備管理なども対応してくれます。このようにサービスの質が高いのは、ハウスメーカーならではと言えるでしょう。
現在のアパートやマンションは多くが規格化されており、設計などの自由度は高くはありません。また、土地に可能な限り大きく建設するプランになる傾向があります。しかし、工場で一定の段階まで建築資材を加工するので建築期間が短く、品質は安定しているというメリットがあります。

不動産会社

不動産会社では、土地の購入や売却、アパートやマンションの建設、借地など、不動産に関するさまざまな相談に対応できます。また、土地やその活用方法に関する情報が日常的に寄せられており、その地域にどのようなニーズがあるか、どのような人が住んでいるかという情報も豊富です。中には土地活用の方法の選定から相談できる場合もあり、土地の面積や立地、さらには地域に必要な施設のニーズなどから判断して、その土地に最適な活用方法を提案してくれます。

金融機関

土地活用は、不動産を購入するなど資金が必要となるケースが多くなっています。その場合は、銀行などの金融機関に融資の相談をすることになります。融資だけではなく、経営をするにあたっての収支計画についても相談できるのは金融機関の特徴です。土地活用に関する知識がなく適切な方法がわからないという場合は、信託銀行に所有する土地を貸与して土地活用を委託し、自分は配当を受け取るという方法もあります。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)は、お金に関する専門家です。土地活用を検討している場合、家計の収入と支出を確認し、どのような土地活用が適しているのかをアドバイスを受けられます。また、ハウスメーカーなど土地活用を手がける会社から収支計画が提案されている場合は、先入観なくフラットな視点で適切かどうかを判断してもらえます。

コンサルティング会社

コンサルティング会社は、土地活用にまつわる課題の解決をトータルに支援してくれる存在です。会社によってサービスの範囲は異なりますが、最適な活用法の提案、収支計画の立案、建築会社の選定、テナント企業など運営事業者の誘致など、あらゆる工程に対応できる点はコンサルティング会社の強みです。さらに、資産運用の手段としてだけではなく、相続対策、事業承継対策など、課題に合わせて、必要な解決策を打つための土地や不動産に関する幅広い相談に乗ってくれます。

まとめ

土地は、使い方によっては大きな収益を生み出す可能性を持っている資産です。その方法も多種多様で、少額の初期費用で始められるものから、ある程度の投資は必要なものの収益性が高いものまで数多くの選択肢があります。メリットもあればデメリットもある土地活用を成功させるには、自分に合った方法を見極めることが大切です。土地活用を始める前に目的を明確にして、自分にはどの活用方法が適しているのかを検証した上で取り組んでいきましょう。

青山財産ネットワークスの特徴

青山財産ネットワークスでは、税理士、司法書士など、国家資格を有する専門家が 150 名以上在籍し、30 年以上の豊富な実績に基づき、お客様のご希望に沿って、資産の管理・運用・相続に関するさまざまなご提案をしております。
これまでの豊富な支援実績で積み重ねてきた、土地活用のノウハウや事例をまとめた資料を提供しています。以下のURLから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
 
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監修者

       青山財産ネットワークス
財産コンサルタント 相澤 光
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、シニア・プライベートバンカー、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士
  青山財産ネットワークス
財産コンサルタント 相澤 光
-1級ファイナンシャル・プランニング技能士
-シニア・プライベートバンカー
-公認不動産コンサルティングマスター
-宅地建物取引士
・経歴
不動産や信託の活用を軸とした永続型の財産承継コンサルティングを現場の最前線で行っている。節税目的の相続対策に警鐘を鳴らし、「財産全体が最適」となる承継・管理・運用を土台とするファミリーコンサルティングを幅広く手掛ける。ナレッジを集約した書籍を発行。セミナー登壇実績多数。YouTubeにて動画コンテンツも配信中。

・著書
青山財産ネットワークスの30年に渡るノウハウをまとめた『「5つの視点」で資産と想いを遺す~人生100年時代の相続対策』を執筆。2021年(11月15日-11月21日)紀伊国屋書店新宿本店 ビジネス書ランキング 第1位

※役職名、内容等は2024年3月時点のものです。

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